暖房にあたっても手足の先の冷えを感じたり、手足が冷たく眠れない方は、冷え症かもしれません。
冷え症とは、手足や腰などの耐えがたい“冷え”によって、日常生活で苦痛を感じている状態のことで、女性に多く見られます。主に血行不良によって起こり、血液が体の末端まで行き渡らないため冷えを感じます1)。女性は、男性より血管が細く筋肉量が少ないので、血行が滞りがちになります2)。
冷え症の改善には、暖房や重ね着のほか、食事、入浴、運動などの生活習慣を工夫することによって血行を良くし、体の内側から温める必要があります1)。
これまで冷え症は、主に更年期の女性に見られる更年期障害の一つと考えられてきましたが※3, 4)、学童期から 20 才代の若い女性にも見られることから5, 6)、広い年代層の女性に現れると考えられています。現代では、薄着思考のファッションや夏場の強い冷房によって、一年中見られる症状となっています。
東洋医学では、多くの婦人病の原因は、冷えであるとされています1, 7)。冷えのほか、不眠、肩こり、便秘、倦怠感、集中力の低下など心身に広く影響を与えることから、冷え症は、女性の生活の質を著しく低下させます。
ローヤルゼリーについては、これまでに更年期女性の疲労感や肩こりの軽減作用など、女性の健康に関する効果が報告されていることから9, 10, 11)、ローヤルゼリーが女性の冷え症を改善するかどうか検討されました。
冷え症の若年女性(全 24 名,平均25.5 才;8名/群)に、ローヤルゼリー(1.4,2.8 g/日(乾燥重量))を2週間摂取させたところ、偽薬群(ローヤルゼリーを含まないもの)と比べて、摂取後は摂取前より手、足および腰の温かく感じる自覚症状が改善されていました。また、1.4 g/日摂取群では手指の表面温度が上昇し、2.8g/日摂取群ではその温度の上昇傾向が見られました12)。
次に摂取後に、緩和な寒冷ストレス負荷試験を行いました。これは、冷水に両手を短時間浸した後、手指の表面温度が何分後に回復するかを調べる方法です。その結果、2.8 g/日摂取群では、偽薬群より、寒冷ストレス負荷4 ~ 11 分後まで皮膚の表面温度が著しく高く、回復が速いことがわかりました。
以上の結果から、ローヤルゼリーは冷え症の改善に有効であることが明らかとなりました。
これは、若年女性における検討でしたが、中高年の女性における冷え症も改善されることが報告されています10, 13)。ローヤルゼリーは、広い年代の女性において冷えを軽減し、関連して起こる健康障害の予防に役立つものと考えられます。